二〇〇二年九月一三日
 
公立高等学校の学級削減を行わず、小中高三〇人以下学級の早期実現を求める請願書
 
               紹介議員
 
               請願者  住所 北海道札幌市中央区大通西一二丁目
 
                    氏名  石  川   一  美                                             
 
北海道議会議長 酒 井 芳 秀 様
 
請願趣旨
 
 九月三日、北海道教育委員会は、「平成一五年度公立高等学校適正配置計画案」を発表し、公立高校二七校・二七学級の削減案などを示しました。この計画案は、中学校卒業生が減少を続けるなか、それぞれの学校への「収容率」を優先させる機械的な学級削減であり、地域の子どもたちの学びたいと願う機会を狭めるばかりか、子どもたちを安心して育てたいという父母・住民の願いに背くものです。
 不登校・登校拒否が全国で一三万九千人を超え、小中高の校内暴力の発生件数が三万四千件にのぼるなど、教育をめぐる状況は深刻です。また、道内の高校中途退学者は三八〇〇人にものぼり、その半数は一学年次に高校をさっています。こうした子どもと学校をめぐる事態のなかで、多くの父母・教職員・教育行政関係者の協力などにより、その克服にむけたさまざまなとりくみがすすめられています。いま求められているのは、すべての子どもたちに生活も学習も丁寧に指導することのできる、三〇人以下・少人数学級の実現ではないでしょうか。教職員が一人ひとりの子どもたちとふれあい、授業に必要な準備が保障されるゆとり、子どもの話をじっくりと聞けるゆとり、地域が子どもたちの健やかな成長を援助するゆとりなくしては、子どもたちが発するさまざまなサインを受け止めることはできません。
 二〇〇一年六月二九日、文部科学省が「標準法の一部改訂」で、自治体独自に四〇人に満たない学級編成をすることを認める旨を通知したのを受け、福島県や山形県など多くの自治体で、小学校低学年を中心に三〇人・少人数学級編成がはじまり、その流れがいまや全国的な潮流になっています。本道でも今年四月から、少人数学級のモデルを小中学校で始め、道民からその拡大と成果に大きな希望や期待が寄せられています。今日の教育の危機ともいわれる状況を打開することは、このような方策によってこそかなうものであり、地域の教育力の伸長につながることは明らかではないでしょうか。
 今回の「適正配置計画案」は、そうした三〇人学級にむけての全国的な流れがつくりだされる以前に策定された「公立高等学校配置の基本指針と見通し」(以下「基本指針と見通し」)にもとづく計画です。このまま「基本指針と見通し」にもとづく「適正配置」を続けていけば、平成一七年には公立高校の間口を次年度比八〇以上も削減をせざるを得なくなります。この数字は単なる間口減にとどまらず、学校統廃合を意味します。このままでは地域の高校がなくなるかもしれないという道民の不安を募らせるばかりです。北海道教育委員会は今こそ、少人数学級編成を視野に入れた高校配置の将来展望を示し、「平成一五年度公立高等学校適正配置計画案」を見直すべきです。経済効率優先の従前の学級削減案を、わたしたちは容認できるものではありません。
 以上のことから、左記の事項の速やかな実現を求めます。
 
 
請願事項
 
 一、公立小中高校で三〇人以下学級を実現してください。
 
 一、「平成一五年度公立高等学校適正配置計画案」を見直し、公立高校の学級削減を中止してください。
 
                                            以上