2003年3月24日

北海道知事選予定候補

         様

ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会

代 表 委 員   石 川 一 美 

北海道私学助成をすすめる会      

代  表      中 村 陽 三 

 

北海道知事選挙に出馬を表明された皆様へのお願い

 

 私たちは毎年、子どもたちが人間として大切にされる学校や社会を形成したいと願い、教育条件整備、とりわけ30人以下・少人数学級実現を求めて署名運動を行っています。また、この4年間で全道のすべての市町村をたずね、首長や教育長と懇談を重ね、各自治体で30人以下・少人数学級実現、私学助成に拡充の意見書を採択してくださるようお願いをしております。

 ご存じのように、地方自治体は財政が逼迫しており職員の給与削減などで大変な状況です。しかしながら、地域の子どもたちは地域で育てたいという願いの下、厳しい財政状況にあっても多くの自治体が何らかの教育への支援を行っています。こうした思いが、全道212自治体のうち167もの自治体で、「30人以下・少人数学級実現、私学助成の拡充」の意見書を採択し、国や道に送付しています。また、私たちが道議会に届けた署名もこの4年間で400万筆にのぼっています。

 昨年4月から、本道で行われている、小学校低学年での35人少人数学級モデル、中学校ので最高学年学級維持は、こうした私たちの願いを受け止めてくれたものとその実現を喜ばしく思っております。

 こうした1歩を踏み出した本道ですが、教育にかかわる問題は山積しております。私たちは1989年以来14年にわたって運動をつづけていますが、その間集めた署名は1,400万にもなります。この1筆1筆に、本道の教育を良くしてほしい、我が子のみならず子どもたちの健やかな成長を願う地域の方々の思いが詰まっています。残念なことに、道議会ではこれまで継続審議とされ、私たちの請願は採択されていません。

 4月13日投票の今知事選にはかつてなく多くの方々が立候補の意を表明されていらっしゃいます。是非以下の質問にお答えいただき、子どもたちの健やかな成長、とりわけ教育条件整備にどれほど心を砕いてくださるかをお知らせくださいますよう、お願い致します。

 書面で失礼なお願いとは存じますが、どうぞ私たちのささやかな願いをお聞きいただき、投票の際の一助とさせていただけるよう、重ねてお願い致します。

 なお、お答えいただいた内容は、一言一句変更せずに私たちの管理するホームページに掲載をし、このホームページをご覧いただける方に公開をしたいと思っております。

 

 

質問1.本道の小中高校で30人以下・少人数学級を実現していただけるでしょうか。

 とりわけ、現在モデルで実施している小学校低学年35人学級の全道的な実施を早急に行っていただけるか、お考えをお聞かせください。

 また、小学校での3学級4定員、中学校での6学級8定員の解消をはかってくださるかどうか、お考えをお聞かせください。

 

質問2.高校入試の激化を招き、高校多様化・複線化を推奨する「公立高等学校通学区域」

の拡大を前提にした見直しをいま、北海道教育委員会はすすめています。公立高等学校通学区域の変更に対するお考えをお聞かせください。

 

質問3.高校統廃合・学級削減に関するお考えをお聞かせください。

平成16・17年の2年間で中学卒業生は現在よりも5,300人余り減少します。北海道教育委員会は、平成12年6月に示した「公立高等学校配置の基本指針と見通し」にそって、生徒収容率を最大の根拠に高校統廃合を推し進める計画です。しかし、それでは全国的な流れになっている「少人数学級」の流れに反するとともに、「教育の機会均等」に反して、高校に通えない生徒を生んでしまう可能性も否定できません。年間4000人にも上る高校中途退学者はその半数が1学年次に、さらにその半数が1学期のうちに学校を去ってしまいます。こうした状況を解消するためにも生徒一人ひとりに丁寧に接することができる少人数学級が高校においても必要と考えています。

 

質問4.いま、普通学級に在籍するLDADHD、アスペルガー症候群など特別な教育ニ

ーズを有する生徒への支援が大きな関心を呼んでいます。小中学校はもちろん、高校においてもその数は決して少なくはありません。こうした生徒への支援をどのように考えているのか、お考えをお聞かせください。

 同時に、不登校の子どもたちへの手だても決して充実しているとは言い難い状況です。NPOの力も借りて不登校の子どもたちの「居場所」を何とか確保しているのが現状です。学校で、地域でその受け皿となる対応が求められます。

 また、私たちは、子どもや保護者の希望にそった障害児教育の充実を願っていますが、どのように考えていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。

 

質問5.私学に通う子どもたちはいま、大変な思いをして通っています。保護者のリスト

ラなど、経済的理由で学校をやめなければならない子どもたちが増えています。私たちは、私学への補助を公立学校の1/2に増やすとともに、授業料・保育料など補助を増額してほしいと願っています。私学助成の充実に関するお考えをお聞かせください。

 

質問6.長引く不況の下、子どもへの就学保障が必要です。奨学資金は現行のものはすべ

て貸付制度になっていますが、給付型のものも考えるなど、その充実が求められています。子どもの就学保障のために、公立・私立を問わず緊急の措置が必要と思いますが、お考えをお聞かせください。

 

質問7.学校の施設設備は、決して充実しているとは言い難い状況ですし、中には危険き

わまりない校舎もあります。とある道立高校は建築以来40年を経て未だに改築されていません。全くもっての危険校舎です。校舎の耐震検査を行う計画がありますが、簡易検査ではその結果にどこまで信頼性があるのか、疑問視する専門家もいます。

 子どもたちが安心して学校生活を送れる校舎を増やすことは保護者のみならず地域住民の願いでもあります。学校施設設備の改善についてのお考えをお聞かせください。

 

 

 以上、私たちが実現したいと思っている願いです。どうか、お考えを速やかにお聞かせくださることをお願い致します。27日の告示を前に対への忙しい日々をお送りのことと思いますが、3月31日までには、お返事をいただきたく思います。

 まだまだ寒さ厳しき折ゆえ、ご自愛なさいますよう、末筆ながら加えさせていただきます。