酒井芳秀候補からの回答

「ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会」公開質問状への回答

回答者:酒井芳秀

回答日:2003331

質問1への回答

 北海道の教育においては、平成14年度から小学校低学年の少人数学級モデル校を全道で25校を選定し、少人数化に対応した指導方法の工夫・改善のあり方の実践研究を行っています。その成果をまず検証、検討し学級編制のあり方について、私の判断を下したいと考えております。

 また、3学級4定員、6学級8定員の解消については、国の教職員定数改善計画もあり、極めて難しいものと考えていますが、引き続き国に要望していく考えです。

 

質問2への回答

 公立高校の現行通学区域(全道55学区)は、制度施行後20年余りが経過し、社会情勢の変化や生徒・保護者の意識の多様化、生徒の大幅な減少など環境の変化によって、時代にそぐわないものになっていると思われます。道教委では、今後の望ましい通学区域のあり方について検討会議を平成144月に設置し、広く教育関係団体や道民から意見を募集し、議論を重ねてきたと聞いております。

 その結果、今春、つまり平成153月には「学校選択の幅を広げ、生徒の能力・適正・興味・関心・進路希望等に応じ多様な学習が可能となるよう、拡大について早急に検討する必要がある」ことを基本的な考え方とする答申がなされました。

 私はこの「答申」をまず、存分に検討・精査し、結論をだすつもりです。

 

質問3への回答

 時代の要請に応えるべく、少子化が加速する流れをにらみながら、学校再編や学科再編、総合学科の設置など、学校規模の適正化や学科内容を見直すことは当然で、行政の責任でもあると考えております。

 「生徒収容率」は統廃合の物差しのひとつですが、この物理的な尺度を絶対視するのであれば、問題が生じると思います。

 

質問4への回答

 これまで、「特殊教育センター」の市町村における巡回教育相談等を通じて就学相談等の支援を行ってきたと聞いています。今後、学校教育法施行令の一部改正を踏まえ、「手引き」の作成・配布、市町村担当者の研修会開催など、市町村における就学指導を強化する必要があると思います。

 また、普通学級に在籍する学習障害(LD)児童・生徒については、平成1314年度の2ヵ年間国からの委託を受けてLD児に対する指導体制の整備、効果的な指導方策について実践研究を行い、平成15年度からは新規に国の「特別支援教育推進体制モデル事業」としてLD児に加え、ADHDや高機能自閉症のある児童生徒を含めた総合的な支援体制の充実を図るためモデル事業を充実させることになっており、今後、こうした研究成果を踏まえ、特別支援教育の一層の充実が図られるよう努めていきたいと考えています。

 

質問5への回答

 私学に対する助成措置は、その内実について批判もあります。単に金額増の表面的、画一的な一律主義による対応策に留まらず、その「内実」を踏まえたメリハリのある助成制度に改革、脱皮する時期を迎えています。

 

質問6への回答

 授業料免除については、平成11年度から新たに保護者が職を失った場合についても適用されるよう、実情に応じた認定ができるよう改善が図られてきています。

 また、経済的な理由で就学が困難な生徒を支援するために、学資金の貸し付けに当たっても、学習成績による認定条件を除くとともに、貸付金額を増額することで改善を図ってきており、貸付者も累増しています。

 今後なお不十分と認識し、生徒の就学の機会が確保されるよう制度の充実に努めていきます。

 

質問7への回答

 学校校舎、屋内体育館の施設は、地震等の緊急災害時において、地域住民の避難場所になることなどから、耐震化の対策は重要だと認識しています。私が知る限りでは、道立高校については、平成17年度までに耐震診断を終了することとなっています。道教委に問い合わせたところ、耐震改修工事については、平成14年度末までに71棟が完了し、残りの17棟についても今後計画的に整備していくという返答がありました。

 全体的に、市町村における耐震診断の実施状況は、学校の統廃合計画、老朽化の改築計画や各市町村の財政的な事情などによって、まだ低い状況にあると思われます。速やかに必要な改修工事が行われるよう各市町村に対し、積極的に働きかけていきたいと考えています。また、国に対しても、公立学校施設の耐震化に向けた必要な事業の確保を要望していきたいと考えています。