1、 中高の30人学級(高校職業科25人、定時制20人)を早期に実現してください。複式学級を解消してください。
 97年に全教が作成した「定数改善計画」では「欧米並みの1クラス当たり20〜25人学級程度で編成できることをめざしつつ〜30人学級の早期実現を図ります。また、職業専門教育を行う職業学科については、全日制25人学級、多様な年齢構成と教育的ニーズを持った生徒が学ぶ定時制については、20人学級の早期実現を図ります。」ということを提案しています。

2、 私学助成の国庫補助制度を守り、私学助成を大幅に増額してください。特に経常費2分の1助成の実現、施設整備費補助を拡充し、授業料一律補助と施設設備費補助を実現してください。
 私学助成は1970年に地方交付税として高校生ひとりあたり5000円がついたのが初めてです。その後、1975年に私学振興助成法が成立し、文部省国庫補助が始まりました。その後84年の臨調行革と94年に文部省国庫補助は削減の対象にされましたが、2000年度にはその削減を取り戻し、新たな水準になっています。2001年度には、高校生ひとりあたりの単価では文部省国庫補助が44550円、地方交付税が222100円で合計266650円になっています。また、2000年度からは、不況により倒産・解雇等での家計急変者に対する補助(授業料減免)も始まり、全国私教連の調査(2001年5月末、235校)では44校131名がその対象となり減免を受けています。「家計急変の授業料助成をもらって、退学にならずにすんだ」という例も報告されています。また、退学・学費の滞納の理由としては、自営業不信・倒産の例が一番多く報告されています。
*施設整備費(施設の改修のことで補助の対象となっています)
*施設設備費(新たな施設設備のことで補助の対象にはなっていません)

3、 義務教育費の国庫負担制度を守り、充実してください。
 義務教育費国庫負担法は、その目的として「・・・義務教育無償の原則に則り・・・国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上とを図ることを目的とする」と書かれています。そして具体的には、主に義務制教職員の給与の2分の1を負担するものです。(高校教職員は地方交付税でまかないます)目的にもある通り、まさに教育の機会均等を財政的な面から保障していくことを具体化した法律ですが、国は以前より、国庫負担の対象を減らしていくことで国庫負担額を削減してきました。この中には、学校事務職員・栄養職員の給与費も対象からはずす行政当局の動きもありましたが、3000万署名をはじめとする取り組みで堅持させてきています。しかし、現在の小泉内閣のもとでは、聖域なき構造改革により、削減の攻撃が地方交付税の削減攻撃と共に一層強められてきています。その強行を許してしまうことは、地方に一層の財政負担を強いることになり、その結果、財力の弱い自治体では、それまでの教職員配置の水準が維持できなくなる事態が生じてしまうことになりかねません。

4、すべての学校の教職員を増やしてください。私学には専任教職員を増やすための特別の措置をこうじてください。
 全教が取り組んだ「生活勤務実態調査」(2000年度予備調査、回答220人)結果からは、超過勤務時間では、「校内での残業が100分以上の人が34%」「持ち帰り残業が50分以上の人が35%」また、健康実態と関わっては、「とても疲れる」「やや疲れる」の回答が80%以上で、「非常に健康」は2%しかなく、「不調」が40%という結果が出てきています。
 また、学校全体の教員配置と関わっては、1クラス当たりの専任教員数は、公立が2、4人に対して、私学が1、9人(公立の79%)の実態です。全国私教連は、当面各クラス2人の教員配置を求めています。そのためには、私学における専任教員のための措置が必要です。

5、子どもたちのいのちと安全を守るために、学校施設の補修・改築をしてください。
 昨年度の運動の成果として、学校トイレ改造工事とPCB対策工事の補助制度の充実が実現しました。従来2000万円以上でないと補助の対象にならなかったものが、400万円以上から単独でも補助(3分の1)の対象となりました。老朽校舎に対する改修については、昨年度比で6億4000万の増額で改築を求める運動を反映しました。耐震調査および改修と関わっては、地震防災緊急事業5カ年計画(.1996〜2000)の進捗状況が、一般建物では74%に対し公立学校では66%にとどまっています。こうした状況を受けて、地震防災対策特別措置法(1995〜2006)における補助率のかさ上げ措置(非木造校舎補強とプールの改修補助を1/2)が延長されました。その他、プールや鉄棒などによる学校災害事故も、年間100万件を超える状況があります。

6、希望するすべての子どもたちに、高校教育を保障してください。障害児にゆきとどいた教育を保障するために、障害児学級・学校の増設や通常学級の教育条件を整備してください。
 高校への進学率は97%、障害児の高等部等への進学率は93%(障害児学級83%、盲学校98%、聾学校99%)です。生徒数が減少している今こそ、新たな学校建設を進めなくとも、希望者の高校への全入が実現できる状況にあります。障害児教育では、障害児学級・学校が設置されないために長時間通学を余儀なくされたり、やむ終えず通常学級に在籍したり、また学校としての適正規模(全教定数改善案では100〜120名程度)をはるかに超える生徒が在籍し、学校運営に困難生じている状況が見られています。いくつかの地域では学校建設の運動も取り組まれています。

7、 教育費の父母負担を軽減し、教育費の無償化計画を立ててください。
 義務教育は無償と教育基本法で規定されていますが、実態はそうではありません。文部科学省統計による保護者支出教育費(2000年度)は、小学校では6万2011円中学校では13万7581円となっています。また、高校授業料の国基準は全日制で9000円、定時制で2400円となっていますが、いくつかの都道府県ではそれを越える実態となっています。加えて、授業料以外の種々の学校納付金、通学定期代、教科書代や部活動に要する経費など教育費負担が重くのしかかっています。《北海道A高(37400円)岐阜G高(35800円)など》(日高教:不況下の高校生の就修学保障に関するアンケート調査のまとめ)

8、長期不況下の子どもの就学保障のために、公立・私立の児童・生徒に授業料減免制度や奨学金制度などを充実してください。
 2000年度に授業料減免を受けている生徒は全体の8,06%(2656人)で、98年度の6,45%、99年度の7,85%と年々増加しています。現行授業料の国基準は全日制で9000円、定時制で2400円です。奨学金制度についても、受給者が98年度2,61%、99年度3、22%、2000年度3、60%(1186人)と年々増加し、今日の経済状況を反映しています。(日高教:不況下の高校生の就修学保障に関するアンケート調査のまとめ)


とどけよう みんなの願い いかそう 教育基本法!


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